オカシノビ デザイナーズノート
こん○○は、inao78です。
このたび、「オカシノビ」というボードゲームを制作し、ゲームマーケット2014秋にて販売することになりました。
また、ゲームマーケットに先駆けて、MotionGalleryというクラウドファンディングサイトにて、先行通信予約販売を行っています。
アルハラシステムズのカードゲームを全国に届けたい!「オカシノビ」「ビバニク」「オトーリバース」再販&新作プロジェクト!- クラウドファンディングのMotionGallery(モーションギャラリー)
クラウドファンディングというと、耳慣れないと思われますが、ようは資金を先に調達させて貰い変わりにいくつか特典をつけて発送しますよ、という試みです。
今回の例でいうと、アルハラシステムズのゲームを複数購入して頂けた場合に、クラウドファンディング限定のプロモーションカードを付属することになっています。
宜しければご支援をお願いいたします。
詳しいルールの説明は、アルハラシステムズのブログに記載してありますので、
こちらをご確認ください。
また、ボードゲーム数奇語りというPodCastにて紹介して貰いました。
ボードゲーム数寄語り。第36回「クラウドファンディングとオカシノビ・その4」
出演者の皆さん、ありがとうございます。
ゲームの作成時に苦心したところを的確に言い表してくれており、安心しました。
このPodCastを受けて、このゲームのコンセプトやこだわった点について紹介しなければならない、と強く思いましたのでこの機会に説明させて貰うことにしました。
・シャドウハンターズに似すぎていない?
PodCast内でも触れられていましたが、このゲームは過去に販売されたゲームである、シャドウハンターズと類似している部分が多くあります。
というのも、そもそものコンセプトが「シャドウハンターズをより簡単に、それでいてより面白くしたゲームを作ろう」というモノだからです。
・シャドウハンターズと私
そもそも、私はシャドウハンターズというゲームが大好きです。
あのゲームが発売されたのが、ちょうど私が大学生の時だったのでほぼ毎日の昼休みに仲間と集まってシャドウハンターズをやっていました。
その期間、およそ2年間。
なんだかんだと連戦することもあったので、プレイ回数は優に1000回は超えているでしょう。
更に、途中からはオリジナルのキャラクターを追加して、キャラクターカードだけで50枚を超え、しかも全員がそれを把握した上で推理しあうというキチ●イじみたプレイをしていました。
・シャドウハンターズの問題点
そんなシャドハンキチ●イな自分でしたが、いかに好きなモノでも長く続けているうちに色々と不満も出てくるものです。
以下に、不満に思うルールを記載します。
●正体を公開するルール
シャドウハンターズでは、おばばカードにより陣営を推理しあうことが序盤の基本となるのですが、未知なる者というキャラクターだけが嘘をつくことができ、それによって様々な混乱を引き起こし、ゲームにスリルをもたらしています。
しかし、このゲームではプレイヤーは好きな時に自身のキャラクターカードを公開することが出来てしまいます。
そうすると、せっかく嘘をついて人を騙しても、公開した時点で誰が嘘をついているかが、明白になってしまうのです。
●攻撃に対するリスクの少なさ
シャドウハンターズでは攻撃時に反撃が行えるのは、狼男というキャラクターのみで、それ以外のキャラクターに対しては、ノーリスクで攻撃することができます。
また、特にゲームを初めてやる人に多いのですが、敵が確定しないうちから、とりあえず攻撃という行動ができてしまい、場合によっては最高ダメージの5ダメージを与えてしまうこともしばしばあります。
特に、ニュートラルのアリーなんかは、試合を早く終わらせるために殴れるやつを殴るという戦法が有効なので、片っ端から殴り、ハンターシャドウの争いとは関係が無いところで勝敗が決まってしまうなんてこともあります。
●運要素が強すぎる
シャドウハンターズでは、序盤に必要になるおばばカードを引くためには、まず2つのダイスを振り、2、3、4、5、7のうち、いずれかを出さなければなりません。
また、運良くそれが出せたとしても、引いたおばばカードには当たり、はずれがあり、必ず望んだ情報が手に入るというわけでもありません。
また、攻撃に関しても同じくダイスを振ることになるため、ダイス運によっては中々ダメージを与える事が出来ないなど、理不尽な思いをすることもあります。
●負け抜け
これに関してはシャドウハンターズのみではなく、同じ正体隠匿ゲームである人狼や、Bang!などにも言えるのですが、最初に脱落してしまったプレイヤーは、ゲームから外れ、ゲームが終わるまで何もする事も無く、推移を見守ることになります。
人狼などの長いゲームの場合、勝敗そっちのけで別のゲームを遊ぶこともしばしば。
・そしてオカシノビへ
さて、つらつらとシャドウハンターズの問題点を上げましたが、オカシノビではこのゲームをより簡略化して、なおかつ問題点を出来るだけ解消できるように努めました。
●正体公開ルール
シャドウハンターズでは、キャラクター毎に勝利条件と特殊能力がセットになっていたため、特殊能力を使用するタイミングで必ず陣営が公開されてしまっていました。
そのためオカシノビでは陣営と特殊能力(キャラクター)を分け、それぞれをカードにすることで陣営を死亡時まで公開することが無いようにしました。
これにより嘘による効果が高くなり、より推理ゲームとしての要素が強まりました。
●攻撃に対するリスクの無さ
オカシノビでは、攻撃を仕掛けた場合でもじゃんけんに敗北してしまうと反撃ダメージを受けることになっています。
また、ターンで行える行動も攻撃、暗号、補充の3択のうちから択一なので、他の行動を行えなくなるというリスクもあります。
これにより、全てのプレイヤーは攻撃に慎重にならざるを得なくなり、より戦略的な戦いを実現しつつ、必ずどちらかにダメージが入ることによりゲームの収束性が強くなっています。
●運要素が強すぎる
オカシノビでは、シャドウハンターズに比べ、ダイス、エリアといったランダム要素を排除しています。
おばばカードにあたる暗号は、各プレイヤーの手札であるじゃんけんカードに併記されているので、選択して出す事ができますし、攻撃先も全てのプレイヤーから選ぶことができます。
戦闘システムは全情報が公開された限定じゃんけんになっているため、陣営と特殊能力の配布以外で運の要素はほぼありません。
●負け抜け
オカシノビでは怨霊システムというシステムを採用しています。
このシステムは、負けたプレイヤーが生きているプレイヤーの手札を1枚ランダムに抜くことができる、といういわゆるミソボンのようなシステムになっています。
これにより、負けたプレイヤーも暇することなくゲームの勝敗に関わり続ける事ができるようになっています。
・徹底したミニマライズ
ここまで、シャドウハンターズの問題とオカシノビでの解決方法について書いてきましたが、オカシノビで最も拘った点として、徹底した簡略化が挙げられます。
例えば、暗号に関して言えば、シャドウハンターズでは「おぬしは○○○じゃな?しからば1点のダメージを食らうのじゃ」だったり、「おぬしは○○○か●●●じゃな?」とor条件で聞かれたり、果てはHPが12以上や、ダメージではなく回復だったり、といった複雑な内容が書かれていました。
しかし、オカシノビではそれぞれの陣営を表す記号一つでそれが表されています。
他にも、エリアを排除したことや、カードを排除したことで、ルール自体がとてもシンプルになっています。
このシンプルさは、インストの短縮やそのままゲームの短さにも繋がっており、目標としていた学生や社会人の昼休みに行えるレベルなっています。
・バランス調整&リプレイ性
問題点を解決し、よりシンプルなゲームへと仕上げたオカシノビですが、なんだかんだで一番時間を掛けたのは、バランス調整です。
最初はボードゲーム会に参加しては、テストプレイを行っていましたが、今は会社の同僚に手伝ってもらい、平日にも昼休みに1、2回プレイをしています。
最初は4、5人でやっていた昼休みのテストプレイでしたが、やってみると面白いと評判になり、今では毎日6、7名という大人数が自然と集まるようになってきました。
テストプレイの回数は優に100回を超えました。
最初のうちはプレイする度に粗が見つかり、調整をしては再プレイの連続でしたが、今では修正をする点も無くなりましたが、惰性でテストプレイを続けています。
つまり、それだけ何度やっても飽きが来ない、リプレイ性の高いゲームに仕上がっていると思われます。
・ オカシノビのターゲット層
オカシノビはシャドウハンターズが好きな人は勿論、シャドウハンターズが肌に合わなかったという人にも、是非一度体験して貰いたいです。
また、繰り返しになりますが、学生や社会人の皆さんに昼休みを使って遊んで貰いたいとも考えています。
元々私が大学時代に遊んでいたシャドウハンターズから来ていることもありますが、今ではテストプレイと称して毎日オカシノビをプレイしていて、比べても遜色の無い出来に仕上がっていると自負しております。
長くなりましたね。ここまで読んでいただいて有難うございます。
デザイナーズノートというわりに、宣伝メインの内容になってしまいましたが、少しでもオカシノビに興味を持っていただければ幸いです。